国立大学1法人複数大学制度に関する調査検討会議が文部科学省で開かれ、同制度を活用して全国4地域で国立大学の統合が検討に入っていることが報告された。全国の国立大学は86校あるが、18歳人口の減少に伴い、一気に統合、再編が加速しそうな状況だ。

 文科省が提出した報告によると、北海道では小樽商科、帯広畜産、北見工業の3国立大学法人が2022年4月に経営統合して新法人を設立する方向で協議を進めている。全国を上回るスピードで人口減少と高齢化が進む北海道の現状に対する強い危機感が背景にあり、統合を地域に根差した国立大学が生き残るための方策と位置づけている。

 東海地方では、名古屋大学が「指定国立大学」になり、大学連携を核に世界屈指の教育研究機関を目指しているのを受け、名古屋大学と岐阜大学が2020年度に東海国立大学機構(仮称)を設立して統合することを目指している。

 静岡県では、静岡大学と浜松医科大学が新国立大学法人を発足させ、3年後をめどに静岡大学静岡キャンパスを中心とする大学と、静岡大学浜松キャンパス、浜松医科大学を中心とする大学を新たに設置する構想を協議している。

 奈良県では、奈良女子大学と奈良教育大学が2022年度を目標として新国立大学法人を設立する構想を掲げている。新たな学問の府となれる2つの大学を設置、地域社会を引っ張る人材を育成したい考えだ。

参考:【文部科学省】国立大学の一法人複数大学制度等に関する調査検討会議(第3回) 配付資料

大学ジャーナルオンライン編集部

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