2019年11月から、実践女子大学と京都市、丸善は「梶井基次郎と〝神隠し〟の京都」展を東京と京都で共同開催する。

 今回の展示は、実践女子大学と京都市が2019年5月に締結した事業連携・協力に関する協定の第一弾として企画された。実践女子学園創立120周年・実践女子大学国文学科創設100周年・丸善創業150周年の記念展として、2011年に現存が確認された梶井基次郎の代表作「檸檬(れもん)」の下書き稿を含む79点を展示する。

 京都を舞台にした近代の名作、梶井基次郎(1901-1932)の短篇「檸檬」では、「えたいの知れない不吉な塊」に心を押さえつけられた主人公が、京都の街中をひたすら歩きまわる。今回展示会場のひとつとなっている丸善京都店は作品にも登場し、三条麩屋町から移転した現在も、文学ファンが時々レモンを置きに来るという。

 この、京都ならではの町歩きの感覚を〝神隠し〟にたとえて名付けられた今回の展覧会「梶井基次郎と〝神隠し〟の京都」は、「檸檬」の下書きを含む79枚の直筆原稿、遺品の「やかん」、生前唯一刊行された作品集『檸檬』の初版本ほか関連書籍といった第一級資料が見られる最大規模の展示である。また、2011年に発見されたこの原稿の研究成果や、大正京都の町歩きの記憶をたどる、古地図や写真パネルも展示される。

 東京展は2019年11月13~19日に丸善丸の内本店(丸の内オアゾ内)で、京都展は11月23日~12月7日に丸善京都本店(京都BAL内)にて開催する。さらに、11月23日(土)13:30から丸善京都本店 B2催事会場にて開幕式と座談会が行われ、実践女子大学国文学科の棚田 輝嘉教授と河野 龍也教授が出席する。

 11月23日(土)の座談会は同じ内容を第1部 14:00~15:00、第2部 16:00~17:00でそれぞれ定員30名、無料で参加できる(多数の場合は抽選)。応募は10月18日より、京都市いつでもコール(075-661-3755)で受け付ける。
 
参考:【実践女子大学】「梶井基次郎と“神隠し”の京都」~幻の「檸檬(れもん)」草稿、丸善に見参!~東京展(11/13~)・京都展(11/23~) 開催いたします。

大学ジャーナルオンライン編集部

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