麗澤大学は、2019年11月6日と12月18日の2回にわたり、特別講義として「疑似喪失体験プログラム」を取り入れた震災教育について学ぶプログラムを開催する。教職員と学生、一般市民が参加対象。

 2021年で、東日本大震災から10年の節目を迎える。今回のプログラムは、物質的な復旧と引き換えに人々のあいだで風化し始めている記憶を改めて呼び起こすこと、また時間が経ったからこそ向き合える心の傷を、改めて言葉にし、共有する機会として企画された。

 第一回の講義は「震災の記憶を巡って:疑似喪失体験プログラム」と題し、一見平凡な自分たちの日常がどれだけかけがえのないものや人々に支えられて成立しているのかを「体感」してもらう。講師は、被災当事者であり「疑似喪失体験プログラム」の手法を取り入れたユニークな語りべ活動を展開されている高橋匡美氏と、「震災学」の提唱者でもある東北学院大学教養学部地域構想学科の金菱清教授。

 第二回は「震災学の〈いま・ここ〉:霊性・記憶・教育」。第一回のプログラムを振り返りながら、長期化する震災復興の現状と当事者たちのトラウマ体験からの回復のあり方やこれからの震災教育のあり方について、ゲストスピーカーの東北学院大学・金菱清教授が講義する。

 本企画を担当した麗澤大学外国語学部の花田太平助教は、「学校教育は、実社会とぶつかり合って揺れ動く自分の心をどうケアしていくかを知ること(学ぶこと)もとても大切。このプログラムを通じて、災害だけでなく、様々な環境の中で生きづらさを抱えているであろう現在の学生たちも、被災当事者の語りを傾聴することにより、生きるヒントを得ることができれば」と期待を寄せている。

 会場は、麗澤大学かえで1503教室。本企画への一般参加については、pr@reitaku-u.ac.jpまでメールで申し込む。

参考:【麗澤大学】グローバル・スタディーズ入門B特別講義企画〜「疑似喪失体験プログラム」で震災教育のあり方を学ぶ〜11月6日(水)4限(14:50-16:20)

大学ジャーナルオンライン編集部

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