自然科学の分野で引用率の高い論文数が最も多かったのが、国内の研究機関で東京大学であることが、世界的な情報サービス企業・トムソン・ロイター(米ニューヨーク州)のまとめで分かった。2位は京都大学、3位は国立理化学研究所。日本全体では世界各国の10位に入り、免
疫学や材料科学、物理学の分野で大きな存在感を示している。

 調査は被引用数がトップ1%に入っている論文の数を各研究機関別にはじき出し、比較した。それによると、自然科学全体に当たる総合分野のトップは東京大学で、高被引用論文数が1,303。京都大学、理化学研究所、大阪大学、東北大学と続いた。ベスト20には国立大学12校、私立大学2校、国立研究機関4機関、大学共同利用機関法人2機関が入っている。

 免疫学の分野では大阪大学が64論文でトップ。2位に東京大学、3位に京都大学が入った。材料科学では国立物質・材料研究機構が97論文で1位となり、以下東北大学、東京大学の順。科学は153論文の東京大学が1位で、京都大学、大阪大学が続いている。
物理学は東京大学の352論文がトップ。京都大学が2位、理化学研究所が3位を占めた。生物学・生化学は東京大学が76論文で1位となり、2位に京都大学、3位に理化学研究所が入っている。

 植物・動物学は理化学研究所が157論文で1位。東京大学、国立農業生物資源研究所が続く。分子生物学は58論文の理化学研究所がトップを占め、東京大学が2位、大阪大学が3位になっている。

参考:【トムソン・ロイター】インパクトの高い論文数分析による日本の研究機関ランキングを発表
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2016/esi2016/

大学ジャーナルオンライン編集部

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