四国経済連合会会長の千葉昭四国電力会長と愛媛大学など四国の4国立大学学長が文部科学省を訪れ、「四国の大学が地方創生の中核拠点として発展するために」と題した提言書を戸谷一夫事務次官に手渡した。学生定員の地域間アンバランス是正や運営費交付金の拡充を求めている。

 四経連によると、提言書を提出したのは、四経連と愛媛、香川、徳島、高知の4国立大学。提言書では、四国は地域内の大学進学者数に占める大学の入学定員(地元収容力)が6割と全国の地域ブロックで最も低く、若者が大都市圏へ流出しているうえ、運営費交付金の減少で国立大学の教員補充もままならないとして4項目の提言をしている。

 若者の流出対策では、学生定員の地域間格差を是正するため、四国の大学の定員拡充など抜本的な対策が必要とした。国立大学法人の予算拡充では、運営費交付金の増額と地域貢献に積極的に取り組む地方大学への重点的な予算措置を求めている。

 若者の地元定着では、大学と地元産業界の共同研究をより積極的に国が支援することで魅力ある雇用の場を創出するとともに、地元企業と学生がインターンシップや経済人講師の派遣などで接点を増やすことが有効だと訴えた。

 さらに、地方の若者が大都市圏に強い関心を持ち、大都市圏の大学に進学した学生が地方に目を向ける機会がないため、地方への就職が進まないとして、四国の学生が一時的に大都市圏で学ぶ一方、大都市圏の大学も四国で学んでそれぞれ単位を取得できるようにする新制度の検討を求めている。

参考:【四国経済連合会】四国の大学が地方創生の中核拠点として発展するために(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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