福岡大学理学部の塩井(青木)成留実助教研究グループは、北海道大学薬学部の前仲勝実教授のグループと共同で、世界で初めてヘビ毒と毒不活性化タンパク質複合体の立体構造解析に成功。蛇毒に対する新薬開発が期待される。

 世界保健機構(WHO)によると、毒ヘビ被害は1分間に十数人に上り、推定年間13万人以上の死者を出しており、国際的な社会問題として報告されている。一方、出血性毒ヘビのハブやマムシは、お互いに噛み合うことがあっても死なない。研究グループはこれまで、毒ヘビの血液中に含まれる内在性ヘビ毒阻害タンパク質がどのようにして効率的に自分たちの毒を中和できるのか、毒ヘビがもつ自己防御システムの分子メカニズムの解明を目的とする研究を行ってきた。

 今回、研究グループは、毒ヘビが自らの毒から身を守るために備えた毒不活性化タンパク質を発見。毒ヘビが持つ毒不活性化タンパク質がどのように効率的かつ効果的にその機能を発揮できるのかを解明したこの成果は、毒ヘビ咬傷治療薬の開発に期待が持てる。

論文情報:【Journal of Biological Chemistry】Crystal structure of the complex between venom toxin and serum inhibitor from viperidae snake

北海道大学

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