1法人2大学への統合を協議していた静岡大学と浜松医科大学が再編に合意し、静岡大学の石井潔学長と浜松医科大学の今野弘之学長が合意書に署名した。両校は2021年度までに新法人の「国立大学法人静岡国立大学機構(仮称)」を設立、2022年度からの入学生受け入れを目指す。

 両校によると、新法人の下に静岡地区と浜松地区の大学を設け、新法人がそれぞれの大学を経営する。人文社会科学部、農学部などを持つ静岡大学静岡キャンパスで構成する静岡地区の大学の名称は、現在の静岡大学のまま変更しない方向。

 工学部、情報学部などがある静岡大学浜松キャンパスと浜松医科大学で構成する浜松地区の大学は、浜松医科工科大学、浜松国立大学が大学名の候補に挙がっているが、今後決定する。

 交換した確認書では統合・再編により教職員の待遇や部局の運営経費が現在の水準を下回ることがないようにするほか、付属病院の損失を原則として病院内で処理するとしている。

 経営効率化を図ると同時に、人口減少時代でも受験生を獲得できる魅力ある大学とするため、2月に政府が閣議決定した1法人複数大学制度を活用して再編を目指していたものだが、静岡大学では静岡キャンパスを中心に再編に難色を示す声が強く、直前の会議でも僅差で統合・再編案を認める形になった。

 国立大学の法人統合は2018年12月、名古屋大学と岐阜大学が基本合意を交わしたほか、北海道の3大学でも協議が進んでいる。少子化で今後も学生の減少が見込まれることから、経営効率化を図る法人統合の動きが加速しそうだ。

参考:【浜松医科大学】合意書の締結について

浜松医科大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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