岐阜大学応用生物科学部の乃田啓吾助教、東京大学大学院工学系研究科の飯田晶子特任講師、渡部哲史特任講師、宇都宮大学農学部の大澤和敏准教授の研究グループは、島嶼地域の土地利用に関する効率性、持続性の評価手法を開発した。

 岐阜大学によると、研究グループはパラオ共和国バベルダオブ島の約100年間にわたる土地利用の変化と、環境負荷に当たる土砂流出、社会の発展を意味する人口密度の関係を調査した。

 その結果、商品作物の生産のような資源利用型の土地利用は、人口増加に対する土地資源の利用効率が高かったものの、物質循環や生態系の持続性が低かった。人口規模の小さな社会では自給自足、大きな社会だと自然保護を優先する土地利用が物質循環や生態系の持続性を高くすることが分かった。

 島嶼地域では、土地に限らず、さまざまな資源に制約があり、外部の資源に依存している。今回の研究で島内の資源利用と環境負荷の関係が明らかになったが、それと同時に島外の資源利用や環境負荷が生じており、その両者がトレードオフの関係であることも明らかになった。

 研究グループは今後、このトレードオフを明示できる指標を開発し、島嶼地域の持続的な発展に貢献するとしている。

論文情報:【Environmental Research Letters】Efficiency and sustainability of land-resource use on a small island

宇都宮大学

主体的に挑戦し、時代の変化に対応し自らを変え、さらには広く社会に貢献する人材を育成します。

1949(昭和24)年に宇都宮高等農林学校,栃木師範学校,栃木青年師範学校を統合して宇都宮大学が設立されました。「日本で最も学生を大切に育てる大学に」をモットーにして、「顔の見える距離感」を活かしたきめ細かな教育と主体的な学びを推進し、幅広い視野と深い専門性を[…]

関東地方の大学

明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

岐阜大学

「学び、究め、貢献する」地域に根ざした国立大学 自ら考え、行動し、広い視野をもった人材を養成する。

学びを究め貢献する岐阜大学を「人が育つ場所」という風土の中で実現し、地域活性化の「中核的拠点大学」であることを目指します。 有為な人材を社会に送り出す場となることによって、学術・文化の向上と豊かで安全な社会の発展に貢献します。[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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