筑波大学は附属大塚特別支援学校の体育館回収に伴い、カメラやウェアラブル機器で子供たちの動きを計測し、それらに合わせて床面や遊具などにプロジェクションマッピングを行うための設備を整備しました。この「ミライの体育館™」によって発達障害のある子どもたちの社会性を育み、自己表現をする力を養うことを目指し、情報工学・発達心理学・医学を融合させた学際研究を行っていきます。

 近年、世界中で障害の有無に関わらず共に学ぶ仕組みの実現を目指した活動が行われています。誰もが相互に人格を尊重し合う全員参加型の社会の実現に向けて、障害をもつ子どもが能力を可能な限り発達させることを目指すインクルーシブル教育もその一つです。カメラやウェアラブル端末といった最先端のセンシング技術を備えた「ミライの体育館™」は、創造的な活動を促進する環境としての体育館を目指しています。子どもたちの社会的行動を計測し、複合現実感技術によって個々の生徒に情報提示をすることで発達障害のある子どもたちの社会性形成を支援し、創造的活動を促進する研究を行っていくとしています。

 プロジェクトでは今後約5年間をかけて、未来の子どもたちのための情報環境を構築しながら、ICTを利用した教育研究上の拠点として活動していくとしています。効果が実証されれば全国の特別支援学校にも同様の取り組みが広がっていく事でしょう。また、発達障害のある子ども以外にも様々な教育効果が示されれば、将来的には各地の学校にも配備されることにもなるかもしれません。

筑波大学

文系、理系から体育、芸術にまで及ぶ学問を探求し、学際融合、国際化への挑戦を建学の理念とする未来構想大学。

筑波大学は1872(明治)年に開校されたわが国初の師範学校が始まりです。その後、昭和48年に移転を機に東京教育大学から筑波大学へと変わりました。現在の教育体制は9学群、23学類ですが、学生は枠組みを超えて講義を受けることができ、創造的な知性と豊かな人間性を備え[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。
記事内容等に関する問合せ・ご意見はこちらからお願いします。