文部科学省の「実社会ビッグデータ利活用のためのデータ統合・解析技術の研究開発」事業を進めている筑波大学は、ツイッター、センサーデータなど多様なストリーム(※1)データを処理する高性能基盤システムをはじめとする前半期の主要成果を明らかにしました。

 筑波大学によると、ストリームデータを処理する基盤システムは多様なデータを統合的に処理、さまざまな情報利用を実現するためのもので、このシステムを用いることでアプリケーション開発のコストを大幅に低減できます。国際的に普及が進むJSON形式のストリームデータを直接扱えるとともに、データを詳細にモニタリングする際の処理能力を大幅に向上させたのも特徴です。

 ソーシャルメディア利用者の位置情報、年齢などの属性を世界最高水準の精度で推定する手法も開発しました。位置情報や属性は記載内容の解釈の際に重要な補足情報となりますが、明示的に開示されていません。そこで、発話内容を手がかりに高精度で推定する手法を確立する一方、利用者同士の関係や既知の利用者属性を基に未知の利用者属性を推計する方法も開発しています。

 さらに、オンラインニュースとツイッターを高精度でリアルマッチングするシステムの開発にも成功しました。ニュース記事とそれに関するツイッターの反応をリアルタイムで紐つけし、ニュースの対する社会の関心の高さやさまざまな意見を簡単に集約できるようになります。

 実社会ビッグデータ利活用のためのデータ統合・解析技術の研究開発は、文科省が2014年度から4年間かけて進めている事業で、筑波大学を代表校に、東京大学、東北大学、慶應義塾大学の計4校が連携して技術開発を続けています。

(※1)ストリームデータを「流れるもの」として捉え、流れ込んでくるデータを入力、流れ出ていくデータを出力として扱う。ファイルの入出力を扱うもの、ネットワーク通信を扱うものなどさまざまなタイプがある。

筑波大学

文系、理系から体育、芸術にまで及ぶ学問を探求し、学際融合、国際化への挑戦を建学の理念とする未来構想大学。

筑波大学は1872(明治)年に開校されたわが国初の師範学校が始まりです。その後、昭和48年に移転を機に東京教育大学から筑波大学へと変わりました。現在の教育体制は9学群、23学類ですが、学生は枠組みを超えて講義を受けることができ、創造的な知性と豊かな人間性を備え[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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