千葉商科大学は2016年3月、CUC International Square(通称 iSquare)を同大学のキャンパス内に開設しました。大学での授業以外に、外国語や海外の文化に日常的に触れられる場所として設立されたiSquareは、どのような形で企画・運営されているのでしょうか。同大学国際センターオフィスの小林博子さんにお話を伺ってきました。

外国の人とのコミュニケーションに慣れてもらうための工夫

 iSquareは平日の10時から17時30分まで開館。「ニューヨークのブルックリンにあるカフェ」をイメージして作られたという館内は、壁面にしつらえられた本棚やチョークボード、ゆったり配置されたテーブルやチェアなど、身構えずにくつろげる雰囲気が漂っています。館内にはイギリス、オーストラリア、カナダ出身のスタッフが常駐(2017年12月現在)。館内に入ると、英語で話すことがルールとなっており、日本語は禁止されています。

「iSquareを利用している学生は、だいたい1日に30~40人くらいです。メインはスタッフとのおしゃべりですね。一緒にボードゲームをしたりしながら、気軽な形で英語での会話を楽しんでもらっています。『今日の英語の早口言葉』など、面白い企画をすることもあります。まずは外国の人と会って話をすることに慣れてもらい、海外のさまざまな文化を知るきっかけにしてもらえたら、と思っています」と小林さん。

 館内では海外映画のDVDやテレビ番組をヘッドフォンをつけて視聴できるほか、洋書や洋雑誌、英字新聞なども自由に閲覧できます。館内に設置されているオンラインチャットルームでは、外部事業者の提供によるオンライン英会話レッスンを無料で受講することが可能です。また、キッチンカウンターのあるカフェコーナーは、スタッフが海外の料理の作り方を学生に教えるアクティビティの時などに活用されています。

 iSquareでほぼ毎日開催されているアクティビティは、前述の料理のほか、手芸、ゲーム・音楽関連の企画など、海外の文化に親しむ多彩なプログラムが用意されています。ほかにも、ハロウィンやクリスマスなど海外の風習に合わせた季節のイベントや、外部からのゲストを招いたコンサートなどのイベントも随時企画されていて、iSquareに普段あまり来ていない学生でも興味を持ってもらえるような工夫が施されています。また、同大学の中国語や韓国語を母国語とする学生と交流する機会作りとして、チャイニーズアワー、コリアンアワーといった企画もiSquare内で開催されています。

意欲のある学生が能力をさらに伸ばせるようにサポート

 iSquareを利用する学生は、最初に受付でネームカードを作成するのですが、そのネームカードはスタンプカードにもなっていて、スタンプを32個集めると、学内で受験できるTOEIC IPテストの受験料が割引になります。また、TOEIC受験や海外留学の事前準備をしたい学生には、館内のスタッフとマンツーマンで英会話のトレーニングができるプライベートセッションを受けることもできます。

「学生たちがリラックスして海外の文化を楽しめる場所という現在のコンセプトは維持しつつ、外国語や異文化を学ぶ意欲のあるリピーターには、プライベートセッションなどをTOEIC受験や海外留学の前にどんどん活用してもらって、能力をぐっと伸ばしてもらいたいと考えています。本学では交換留学や海外語学研修、異文化体験ツアーなど国際交流プラグラムも豊富に用意していますので、学生には大学のリソースをフルに利用して、海外で活躍するための能力を磨いてほしいですね」と小林さん。

 これからのグローバル化時代に欠かせない外国の人々とのコミュニケーション力と、異文化に対する知識と理解。千葉商科大学のiSquareは、そうした能力を基礎から育むための施設として、大学内でユニークな役割を果たしています。

千葉商科大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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