毎朝、その日の計画を立て、目標達成に向けて行動する習慣をつけることで、願いに近づく可能性が高まることが東洋大学とIT企業のインテリジェンスビジネスソリューションズ(東京、長井利仁社長)の調査で分かった。

 調査は東洋大学社会学部の尾崎由佳准教授らが担当し、2016年8月から10月にかけ、インテリジェンスビジネスソリューションズの社員27人を対象に実施。セルフコントロール支援法を用いた目標設定作業を日常的に行い、その成果をスマートフォンへのメール送信を通じてモニターする支援ツール「WOOP(※1)」を開発し、対象が毎日立てるその日の計画に対し、「目標を立てたか」「目標を実行できたか」などの質問を送り、回答を集めた。

 それによると、対象者それぞれ14回の応答機会に対し、平均11.2回の応答があった。朝に立てた計画のうち、実行されたのは全体の73%。1日のうちに願いに近づけたと感じたケースは67%に達した。
100%の達成を目指して自分自身に厳しくすると、やる気をなくして失敗に陥る可能性があるが、3歩進んで2歩下がるという柔軟な発想で対応したケースが、計画を実行でき、願いに近づけたという。

 インテリジェンスビジネスソリューションズはこの手法を新入社員教育などに採り入れ、その効果をビジネスシーンに活用したい意向。今後、より大規模な実験を進めるとともに、検証や分析の手続きを改善し、社員のモチベーション向上の方策としてセルフコントロール支援ツールの開発を進める。

※1 Wish(願い)→Outcome(結果)→Obstacle(障害)→Plan(計画)の頭文字をとったもの

大学ジャーナルオンライン編集部

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